バランスを保った美しいフィニッシュは、スイング全体 の成功の証し。理想のゴルフスイングを追求する上で 「フィニッシュ」ありきで考えることも有効と説く藤井 誠プロ(PGAティーチングA級)が解説します。

ザ・プレミアムバックステージでインストラクターを務めています藤井誠です。
さぁ、いよいよ 8 回にわたる連載も今回で最後です。ゴルフスイングの最終章である「フィニッシュ」について一緒に考えてみましょう。

美しいフィニッシュは、スイング全体の成功の証し

「終わりよければ全てよし」という言葉は、そのままゴルフスイングにも当てはまります。
ゴルフスイングの「終わり」つまり「フィニッシュ」は、体の機能を使い果たしたときに現れる形だからです。
バランスを保った美しいフィニッシュは、そこに至るスイング全体の成功の証しであり、逆に、乱れたフィニッシュは何らかの失敗があったことの証しとなります。

美しいフィニッシュの形とは重心が左かかとに乗った状態

美しいフィニッシュとは、左足かかとという小さなポイントの上で全身+ゴルフクラブのバランスが取れた状態。
まっすぐに天空に昇る龍のごとく両脚と両腕が畳み込まれ、ミケランジェロの彫刻のように美しい形が現れます。〈イラスト参照〉

この形は、1スイングで全身を使ってゴルフクラブの機能を正しく引き出したとき、ゴルファーに与えられる「ナイススイング!」の証明書なのです。
ゴルファーの骨組と筋肉を1スイングで正しく使い切った姿とは、左かかとに重心が乗ったバランスが取れた状態です。このとき上半身は、右肩が飛球方向にしっかりと出ていき、左ひじは肩と同じ高さで静止し、左手親指の腹の真上にシャフトが乗っている状態になります。
この状態ができれば、フォロースルーでスピードを出し切ったクラブヘッドは、きれいに収まる場所を得ることになります。

終わりよければ全てよし

言うまでもありませんが、すべてのショットはボールを打ちたいところにコントロールするために行います。
正しいグリップ、ボール位置と打球方向のセットアップ、そして始動からテークバック→トップ→切り返し→ダウンスイング→インパクト→フォロースルーという一連のスイングは、全て自分が意図したとおりのショットを打つためのものです。

打ち出し角度、ボール初速、スピンコントロールなど、思いどおりにコントロールできたとき、「ナイススイング!」のフィニッシュが得られます。
ここで、「終わりよければ全てよし」の格言を思い出してください。
フィニッシュが決まれば「ナイススイング!」が保証されるのなら、フィニッシュから逆再生のようにスイング全体を考え、検証することができるはずです。理想のゴルフスイングを追求する上で、「フィニッシュありき」で考えることはとても有効です。
そのためには、正しいフィニッシュの形を知る必要があります。

正しいフィニッシュとは一つだけではない

ここで、もう一つ確認しておかなければならないのは、正しいフィニッシュの形が一つだけではないということです。
ドライバーで 250 ヤード飛ばしたときのフィニッシュと、アプローチウェッジで 50 ヤード地点にピタリと止めるときのフィニッシュでは、その形が異なります。
同じ7番アイアンでも、フルショットで 150 ヤード打つときと、140 ヤードのコントロールショットをするとき、林の中から低い弾道で 50 ヤード先のフェアウェイに出すときでは、フィニッシュの形は異なります。

スイングする前にフィニッシュのポジションをイメージしよう

そして、ゴルフスイングの基本は振り子のような左右対称の動きですから、フィニッシュの形が異なれば、トップの形も異なります。
飛距離のコントロールを習得するにはある程度の訓練が必要ですが、どの位置までトップを持っていき、どの位置でフィニッシュをすれば、自分がフルショットの何パーセントの距離を打つことができるかを掌握する必要があります。
まずはフルショットのトップとフィニッシュの形を正しく掌握することからスタートし、クラブ番手ごと、加えて同じクラブで打つ飛距離や球筋によって異なるトップとフィニッシュの形(振り幅とフィニッシュの形)を、自分なりに掌握し、そのデータを頭に集積する練習が必要です。〈イラスト参照〉

レベルが上がるにしたがって、横回転のスピンコントロールなど、より多様なショットのデータが蓄積されることでしょう。
自分の理想のスイングを追い求めながら、スイングする前に、フィニッシュのポジションをイメージできるようになると、ゴルフスイングの管理ができるようになってくるはずです。

スランプになったときこそフィニッシュの形をチェックしてみよう

私のレッスンでは、まず、平らな場所(ザ・プレミアムバックステージの打席)で、一つのスイングをしっかり作り上げる事を優先します。
基本はフルショットですが、フルショットは最大限に大きなスイングとか、100 パーセントのパワーを出す“マン振り”を示すわけではありません。
自分のコントロール(制御)が利く範囲で、全身の骨格と筋肉をすべて使い切ったスイングのことを指しています。

ですから、フルショットの規定は、体格や筋力、柔軟性など、個人の特徴によって異なります。
まずは、フルショットしたときのフィニッシュの形がピタリと決まるようになること。
これができるようになることで、その先の応用に繋がっていきます。

基本練習や応用練習、スイング改造を行う中で、スランプが続いたときや悩みが生まれたとき。
今回のレッスンを思い出し、フィニッシュの形をチェックしてみてください。
「ボールに当てたい」「強く打ちたい」「曲げたくない」「ダフリそう」「シャンクが怖い」などなど、さまざまな欲望や悪魔のささやきが、あなたのスイングを狂わせ、その結果としてフィニッシュを乱していることに気づくことができるかもしれません。。

今回の一連の連載を終えて

さて、ここまで 8 回にわたって、アイアンクラブを使ったアドレスからフィニッシュまで、ゴルフスイングの各パートを説明してきました。皆さまのスイング作りの参考にしていただけましたら幸いです。
ドライバーやサンドウェッジの打ち方、またはコース上でのいろいろな状況に対応するためにどんな打ち方をするべきかなど、これからもアドバイスを続けていきたいと思います。

▼ぜひYouTube動画を参考にしてください。

 

執筆者である藤井誠のプロフィール。 「ザ・プレミアムバックステージのインストラクター(PGAティーチングプロA級)(ジュニア指導員)。 東京都出身。 ゴルフを極めるため米・フロリダ州オーランドで修行。 帰国後、米軍多摩ヒルズゴルフコースで副支配人として勤務しながら、ジュニアのための“多摩キッズ”を創設し、ジュニア世界大会やのちの全米女子アマ優勝者を輩出。 オーランドゴルフ親善大使。 日本プロゴルフ協会ゴルフ研究論文最優秀賞、PGAティーチングプロアワード優秀賞など受賞。」

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